大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(れ)963 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人山崎今朝弥同鈴樹忠信の上告趣意第一点乃至第三点について。

刑訴規則施行規則三条三号が刑訴施行法三条に基ずき適法に制定されたものであ

り且つ憲法七七条による権限内に属する適憲なものであることは当裁判所昭和二四

年(れ)第二〇〇〇号同二五年二月一五日大法廷判決及び同二四年(れ)二一二七

号同二五年一〇月二五日大法廷判決に示すとおりである。そして、同条号に依れば、

新刑訴法施行前に公訴の提起があつた事件については同条号が適用される筋合であ

つて、開廷後引続き一五日以上開廷しなかつた場合においても必要と認める場合に

限り公判手続を更新すれば足りるわけである。されば、原審が所論のように前回の

開廷との間に引続き一五日以上の経過があつたにもかかわらず公判手続の更新をし

なかつたからといつて違法ということはできない。従つて原判決挙示の各証拠が原

審第一三回公判廷において証拠調がなされただけで第一五回又は第一六回のいずれ

の公判廷においても証拠調がなされていないからといつて適法の証拠調をなされて

いないものとする論旨はその前提を欠きとるをえない。されば論旨いずれもその理

由がない。

同第四点について。

原審が仮りに被告人から見て被告人の犯人でないことを裏書する証拠があるにか

かわらずそれを採用しないで、被告人から見て証拠価値のない証拠を採用して判示

事実を認定したとしても、適法に証拠調のなされた証拠の取捨判断は原審の裁量に

属するところであるから、適法の証拠調のなされたことの記録上明らかな原判決挙

示の各証拠を採用したからといつて原判決をとらえて採証の法則に反するものとは

いえない。そして被告人を犯人とする原判示事実の認定は原判決挙示の証拠を綜合

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してこれを肯認するに足り、その間反経験則等の違法は存しない。されば原判決に

は所論のような正義に反し破棄しなければならぬ何等の理由がない。所論は結局原

裁判所の裁量に属する証拠の取捨乃至事実の認定を非難するに帰し上告適法の理由

とならぬ。

よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は論旨第一点第三点に対する沢田裁判官の反対意見(判決に引用の各大

法廷判決における同裁判官の少数意見)を除くの外裁判官全員一致の意見によるも

のである。

検察官三堀博関与

昭和二五年一一月二日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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